愚者はのらくら月へゆく

久間健裕の日々のあれこれ

2023年活動報告。

今年も残すところあと僅か。遂に30代の入口に立ち、様々なことに挑戦し、一人暮らしを始め、自分の人気と実力の無さに臍を噛んだ一年だった。

とりあえず、この2023年出た舞台を振り返ってみよう。

チルダアパルトマン『生活と革命』

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チルダアパルトマン初の短編集で、葛生くんとの二人芝居「ひみつのキヨスク」とラストの全員出演「めぐるキャット」に出演した。マチアパに出る時はだいたい物語の脇を固める役を振られることが多かったけれど、今作は物語の中核を担うような役をいただいたのは初めてで有り難かった。ただ、個人的には悔しい思い出の方が多い公演でもある。短編ごとの幕間で劇団員がそれぞれ楽器を演奏するという演出が、旅一座みたいで楽しかった。

 

ムーンカーフ 作品展示会『途方に暮れる星』

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趣味で作っていたコラージュ作品を集めて無理くり開いた個展。毎日寝る間を惜しんで素材をかき集めて新作を生産したのは辛イイ思い出。挑戦的で面白いなと思った作品がそこまで評判良くなかったり、これ好きな人が一人でもいたらイイなって思ってた作品が結構人気だったりと、やっぱり芸術ってのは難しい。来場してくれた人たちに素材だけ渡して好き勝手貼ってもらった特大コラージュを作ったら、自分じゃ思い付かないような貼り方をしてくれる方が多くて面白かった。感性とは人の数だけある。お客さんも全く面識のない方とか、近くの劇場でこのあと本番の俳優さん達が空き時間で見にきてくれたのが嬉しかった。

 

寄席三十九 皐月の陣

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もはや恒例となったひだりうちわの漫才。今年もたくさん漫才したな。最終日にやった彼女が出来た(?)ってネタが個人的に好きで、歌ネタ・芸能ネタ・下ネタ・ブラックジョーク・逆ギレ、僕の好きなものが詰まってる裏代表作と言ってもいい。

実はこちらで2023年中にひだりうちわの動画データを購入していただければその時の漫才動画も見られるみたい。ご興味あれば。

 

俳優達の展示会『ババババパンクシー』

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個展の際に俳優の山川恭平さんにお声がけいただき参加した合同展示会。これはご縁。

俳優をやりつつものづくりをやってる方々との会話、とても勉強になった。作品そのものを販売したのもここが初めてで、正直自分の趣味で作ってるものを販売するなんて全く考えてなかったし、今もそこまで前向きではないんだけれども、その価値を見出してくれる人には向き合えるようにならないと、とは思ったし、あとは単純に価値をつけることで生まれる意識というのもあるなと思った。新作を褒めてもらえたのは嬉しかった。

 

ネジマキトカゲ『ストロベリーショートケーキ』

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今年はネジマキトカゲで年間3本の公演(一日限りだけど)をやれたのはかなり大きかった。シリーズものでゲストなし、メンバー3人だけのワンシチュエーション・コメディ。改めてこの3人でやれることの面白さを見出せた気がしている。一作目は何の後先も考えずにやったので、コメディとしての完成度は一番高いと思う。

実は元々ネジコンとは別のコント公演をやる予定だったけど、亮さんとアイデアを練るうちに我がバイブルの一つ「epoch TV square」のようなシットコムを作りたくなり、そっち方面にシフトチェンジして生まれたのがライフ・タイム・サンバシリーズ。今考えてもこの方針にして良かったと思う。

 

PLAN39『かぞくのわ』(中止)

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実現してれば今年唯一の客演舞台だった。本当に残念。ただし、既に来年3月にリベンジ公演が決まっている(その為のクラウドファンディングは年内に見事達成!)ので、お楽しみに。頑張る。

 

ネジマキトカゲ『クリームメロンソーダ

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ライフ・タイム・サンバシリーズ二作目。個人的には二作目の爽やかで切ない後味が好き。亮さんと話し合った裏テーマとして、このシリーズは普段やっているコントのようなSF色やファンタジー色は極力出さないというのがあった。展開を作る上でついタイムマシンやゾンビなどを出したくなってしまってもグッと堪え、飽くまでも現実的で等身大の設定・展開・オチにすることを守った。まあ結果、コスズメというトンデモキャラが生まれてしまったけれど。

余談だが、この企画は全て乗り打ち(=搬入・ゲネプロ・本番・搬出を全て1日で終わらすこと)でやっているのだけれど、流石に体力的にしんどくなってきた。もう全員が20代ではないことを痛感する。

 

ひだりうちわ ワンマンライブ『くちにだしてね』

f:id:mr-mooncalf:20231228202823j:imageまさかのワンマンライブ。漫才2本、コーナー挟んで、コント2本。大変だった。ただ2本目のディズニーの漫才は、やってる二人の人間性と内容が噛み合った過去イチひだりうちわらしいネタが出来たと思っている。自分は朝7時からディズニー並ばないけど。

コント「花束みたいな恋をしたかった」は、今思うとちょっと脚本の詰めが甘かったなと反省している。そしてゲストコント。根間くんと関口オーディンまさおさんのお二人とコントが出来たのはとても嬉しい経験だった。もっとやれたなあとも思いつつ、一蓮托生でウケを獲りに行ったあの時間は素敵な思い出。

 

オルギア視聴覚室vol.6

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hocotenさんとお知り合いになれたのは今年の中で1、2を争うぐらい嬉しい出会いだったし、そしてこの激烈奇祭・オルギア視聴覚室に出演できたことはそれに輪を掛けて嬉しい出来事だった。正直、鬼スベリして会場を後にする想像しか出来なかったけど、別日にジェット花子として出演する根間くんに「ネジマキらしさで勝負したらいいよ」と言われてからはちょっと肩の荷が降りたというか、本番はとにかく普段通りの自分たちを見せつけて終えるんだという気持ちでやれたのが良かった。自分たちのことを全く知らないお客さんの前に立つという経験をこれからも積んでいきたい。

 

ネジマキトカゲ『トロピカルブルーハワイ』

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ライフ・タイム・サンバシリーズ三作目。結果的にネジマキトカゲらしい哀愁漂う物語に落ち着いたのは良かったものの、物語に収拾をつけるためにコスズメの周辺がデクス・エクス・マキナ化してしまい、シリーズものの大変さと難しさを思い知った。三ヶ月に一回本番があるという状況は大変だけど楽しい経験だった。

 

今年は例年よりも本番を迎えた年ではあったけれど、よく見てみればほぼ全て自劇団の公演であり、外部の現場に殆ど関わっていない。そりゃ人脈も増えなければ先細るばかり。

来年は上半期に2本の外部出演が決まっているので、一先ずはそちらを全力でやり抜き、存在を示していかなければならない。あとは怠惰になりがちな基礎訓練や創作活動を活性化させること。来年の今頃に「今年はよく頑張った」と言えるようにしたい。

 

振り返りは以上。

今年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。

それでは、良いお年を。