愚者はのらくら月へゆく

久間健裕の日々のあれこれ

日本のラジオ『蛇ヲ産ム』を見た。

日本のラジオ『蛇ヲ産ム』 razio.jp フェイクドキュメンタリーQ、雨穴、梨、背筋などの作り手の登場によって令和に新たなムーブメントが巻き起こったホラー業界。個人的にはそこに日本のラジオも加えて欲しいと思っている。なぜなら過去に見た作品が猟奇ホラ…

映画『哀れなるものたち』を見た。

話題作はしっかり見ておこうと思った。 『哀れなるものたち』2024年 誰も彼もみな哀れ フライヤーや宣伝の雰囲気から、好きなタイプのアート系映画だろうなという予測を立てていた。その読みはほぼ間違ってはいなかったのだけど、予想していた内容とはかなり…

舞台『寸劇の館』を見た。

今や関東有数の笑いの発信地となったユーロライブ。芸人と劇団、お笑いと演劇の架け橋として毎月開催されている「テアトロコント」シリーズの特別編として今月開催された舞台『寸劇の館』を観に行った。 作・演出はブルー&スカイ。出演は池谷のぶえ、吉増裕…

映画『小さな恋のメロディ』を見た。

2024年一本目の鑑賞記録は、BLANKEY JET CITYや筋肉少女帯など、名だたるアーティストが影響を受け、同名のタイトルで楽曲までつくってしまった名作。 『小さな恋のメロディ』1971年 幸福になりたいだけなのに、なぜいけないの? あらすじ ロンドンの公立学…

2023年活動報告。

今年も残すところあと僅か。遂に30代の入口に立ち、様々なことに挑戦し、一人暮らしを始め、自分の人気と実力の無さに臍を噛んだ一年だった。 とりあえず、この2023年出た舞台を振り返ってみよう。 マチルダアパルトマン『生活と革命』 マチルダアパルトマン…

映画『終わらない週末』を見た。

SNSで評判を見かけて気になったので見てみた。 『終わらない週末』2023年 ←二人は親子 二人は夫婦→ あらすじ マンハッタンに暮らすアマンダとクレイは、束の間の休暇を郊外の貸別荘を借りて過ごすことにする。子供たち二人と都会を離れ、豊かな自然の中で羽…

映画『首』を見た。

今年イチ、楽しみにしていた作品。 『首』2023年 たけしさんの秀吉を見る西島秀俊の明智 北野武映画の最新作。アウトレイジの戦国時代版という感じなんだろうか。正直歴史ものはあまり観てきてないのだけど、この感じは多分誰か個人を持ち上げるような英雄譚…

映画『犬神家の一族』を見た。

怪奇小説や土着ホラーが流行っているので、その元祖を。 『犬神家の一族』1976年 美女設定を軽々飛び越える島田陽子 あらすじ 製薬会社として財を成した犬神家の当主・佐兵衛が亡くなった。佐兵衛は生涯正妻を持たず、母親の違う三人の娘と婿養子、孫息子達…

映画『イレイザーヘッド』を見た。

ついに、リンチに手を出す。 『イレイザーヘッド』1976年 クリーチャーの見過ぎでもはや可愛いまである あらすじ もじゃもじゃ頭のヘンリーは恋人のメアリーの家族と夕食の最中に、メアリーが赤ん坊を産んだので結婚しろと迫られる。しかしその赤ん坊は手足…

映画『SISU/シス 不死身の男』を見た。

毎月1日は映画が安い!と言うことで久々に映画館へ足を運ぶことにした。 『SISU/シス 不死身の男』2023年 おじいとモフモフ犬、絵になる。 あらすじ 時は1944年、第二次世界大戦末期。ナチスの侵攻で焦土と化したフィンランドの荒野で老人アアタミ・コルピは…

映画『きさらぎ駅』を見た。

暇になったもんで、これを見る。 『きさらぎ駅』2022年 こういう映画に本田望結が出ているという事だけでもうちょっと面白い あらすじ 大学で民俗学を学ぶ堤春奈は、卒業論文で都市伝説「きさらぎ駅」を題材に取り上げることにした。そして「きさらぎ駅」の…

新生活、開始。

ひとり暮らしを始めることにした。 30年間住み続けた地元・横浜の実家を飛び出し、東京近郊の家賃4万・5.5帖の1Kへ。 狭い。とにかく狭い。 1Kとは言いつつも、キッチンはほぼ無いに等しい。 冷蔵庫もホテルにあるようなちっちゃいのしか置けないし、洗濯機…

7月2日は一年のちょうど真ん中らしい。

7月2日というのは一年のちょうど真ん中らしい。 アメフトでいう、ハーフタイムショー。 箱根駅伝でいう、芦ノ湖。 100m自由型でいう、クイックターン。 ちびまる子ちゃんでいう、キートン山田。 西尾維新でいう、O。 いわゆる、折り返し地点。 今年、30歳に…

びいどろ。

吹き荒ぶ風が、がらんどうな容れ物を通り抜ける。 隙間風の音がやけに耳障りで、思わず耳を塞いでみるが、音はずっと聞こえている。 その時、音は私の中で反響しているのだと気づくのだ。 30年近く生きてきた結果、私の身体は空っぽだった。 その不安を拭い…

テアトロコントSpecial『夜衝』の衝撃。

いとうせいこうさんや佐久間Pなどの芸能コンテンツにおけるインフルエンサーがこぞってオススメし、コアなお笑い好きの中で一気に注目を集めている劇団「ダウ90000」。地蔵中毒といいコンプソンズといい、笑いを軸に据えた劇団がお笑い畑の人々に続々と発掘…

バナナムーンGOLDオークラ回を聴いて 〜 個人的バナナマンの名作コント10選

先週のバナナムーンGOLDがバナナマンお二人とも欠席の回で(ワクチンの副作用で休養中)、代役として作家のオークラさんがゲストの東京03の飯塚さんと共に「この夏見て欲しいバナナマンのコント10選」を発表していた。 オークラさんが選んだコントはこちら。…

あの開会式と小林賢太郎について。

オリンピック開会式を巡る一連の騒動が、今もあらゆる方面で物議を醸している。 その内容についてはSNSを通して拡散・炎上、ニュースでも散々取り上げられているので今更書く必要もないと思っているが、やはり小林賢太郎の件については自分の中でまとめてお…

アニメ『オッドタクシー』が凄かった。

出会いというのは、いつだって刺激的だ。 しかし、時を経ていく毎にその感覚は徐々に鈍り始めて、ちょっとやそっとの刺激じゃ興奮しなくなっていく。仕方のないことだが、物悲しくもある。 『オッドタクシー』は、久々にそのワクワクするような刺激を味わせ…

泥のように苦い。

用事で出掛けた先の喫茶店で、珈琲を一杯頼んだ。 そこは都心でありながら未だに全席喫煙可という、時代に逆行するアウトロー喫茶店だったが、返ってその雰囲気に見せられて入店した。 出てきた珈琲をひと口。苦い。驚くほど苦い。 珈琲は苦いもの、という認…

街角にて。

喫茶「街角」の外観。 非常に趣のある喫茶店である。街の外れに静かにぽつんと佇んでいるから「街角」。背伸びをするわけでもなく、謙るわけでもない。ありのままでそこに居るだけ。渋い。それでいて外観はモダンな煉瓦造りというところがまたニクい。ガロの…

特に映えることもない生活の先に。

ここ数日の生活は、これと言って特筆するような事柄もないまま、記憶の彼方に過ぎ去っていった。 あまりにも冴えない生活を送っている。いや、映えない生活を送っている。 気晴らしにと外に出てみたが、特にすることもない。 ふらふらと近所を彷徨い歩き、そ…

プールに行きたいのはドルチェ&ガッパーナの香水じゃなくてバイト先の塩素系漂白剤のせい。

なんでもかんでもドルチェ&ガッパーナの香水のせいにしてしまえば片が付く世の中になるとは、誰が予測していただろう。なんとも便利な世の中になったものである。 ただ僕が今、無性にプールに行きたいと思っているのはたぶん香水のせいではない。このうだる…

バースデイ。

本日また一歩、明確に死へと近づいた。 子供の頃には待ち遠しかった誕生日。だけど、歳をとるにつれてその価値は薄まっていって、今では日常生活の中で「あ、そういや明日誕生日じゃん。」って気付くレベル。バイトも普通に入れちゃう。 僕にとっての誕生日…