愚者はのらくら月へゆく

久間健裕の日々のあれこれ

映画『SISU/シス 不死身の男』を見た。

毎月1日は映画が安い!と言うことで久々に映画館へ足を運ぶことにした。

『SISU/シス 不死身の男』2023年

おじいとモフモフ犬、絵になる。
あらすじ

時は1944年、第二次世界大戦末期。ナチスの侵攻で焦土と化したフィンランドの荒野で老人アアタミ・コルピは愛犬や愛馬と共に金の採掘をしていた。ある日、掘り当てた金塊の運搬中にナチス軍に目をつけられ、持っている金塊を狙われてしまう。しかし、機関銃で撃たれても、地雷原に放り出されても、川に沈められても、機関銃で撃たれても、縄で首を吊られても、コルピは生き延びて反撃をしていく。実は彼こそ、ソビエト軍300人を一人で殺したという逸話を持つフィンランド軍も手を焼くほどの伝説の兵士。〈不死身〉と呼ばれた男だった。

感想

最強老人が金塊を守るために何度死にかけても生き延びながら、ありとあらゆる方法でナチスの軍勢を次々に血祭りにあげていく。特に地雷をぶん投げて爆死させるシーンはそのシーンの緊張感と勢いも相まって笑ってしまった。不死身具合も「嘘だろオイ!」と心でツッコミつつも興醒めはしなかった。これは不死身の理由が単純に「不屈の精神力で生きることを諦めない」というのが良かったんだろうと思う。変に理屈をつけて説明されるよりも分かりやすくシンプルで、こっちが暗黙の了解のように「そういうものね」と納得できてしまう。ある種、こち亀両さんなどと似ているかもしれない。ギャグ漫画だったのかな。

因みにSISUというのはフィンランド語であり、他の言語では直訳ができない言葉らしく、折れることのない不屈の精神、強くしなやかな魂、を表すような言葉であるという。

また、復讐系・無双系映画でしんどいのは、そんなんでブチギレるの?みたいな怒る理由がそこまで伴ってなかったり登場人物に感情移入がしにくい時なんだけども、今作はコルピに「戦争で家と家族を奪われた。もう何も奪われたくない」というバックグラウンドが分かりやすくあり、そこで必死で掘り当てた金塊や家族同然の動物たちが狙われることで怒りが沸点に達する、という部分がとても分かりやすい。特に動物が関わると観てるこっちもしんどい。人間が死ぬのは本当にどうでも良いというか、むしろ死に方によってはちょっと笑っちゃったりもするのに、動物が傷つく描写は本当に辛くなってしまう。

そんな「コルピ TSUEEEEEEEEEE!!!!!」の連続を経てのあのラストが本当に良かった。最後まで徹底的にシンプル、イズ、ベスト!