愚者はのらくら月へゆく

久間健裕の日々のあれこれ

アニメ『オッドタクシー』が凄かった。

出会いというのは、いつだって刺激的だ。

しかし、時を経ていく毎にその感覚は徐々に鈍り始めて、ちょっとやそっとの刺激じゃ興奮しなくなっていく。仕方のないことだが、物悲しくもある。

 

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『オッドタクシー』は、久々にそのワクワクするような刺激を味わせてくれた作品だった。

既に各方面から絶賛されていて、2021年に発表されたエンタメの中で間違いなく後世に残るだろう作品のひとつ。自分は普段アニメ作品を殆ど見ないのだけど、その評判に惹かれてAmazon primeで視聴、あまりの面白さに全話一気見してしまった。

とにかくストーリーがよく出来ていて、ほのぼの擬人化系アニメかと思いきや、第一話で予想を裏切られ、現代日本を舞台にしたミステリーであることが分かる。可愛らしいキャラクターとダークな内容のギャップ、シリアスな空気感とコミカルな会話のアンバランスさ、そして幾重にも張り巡らされた巧みな伏線。全ての要素が奇跡的に噛み合って、唯一無二の世界観を作り上げている。

とにかくネタバレ厳禁な作品なので、下手に検索せずに第一話から見て欲しい。

更には、連動企画としてYoutubeにオーディオドラマが上がっていて、それが本編と同時に見るとより深い別のカタルシスが味わえるという代物で、どんだけ練り上げられた台本なんだよって感服してしまった。こちらも同時に楽しんで欲しい。

個人的にはHIPHOPや芸人の深夜ラジオ、地下アイドルなどアングラカルチャーを取り入れまくってる部分にかなりグッときていて、PUNPEEとスカートの主題歌はもちろん、声優にラッパーのMETEORを起用するという離れ技にビックリ。

あと、ダイアンを声優に抜擢した人は天才か?津田さんも西澤ユースケさんも役にばっちりハマってた。個人的に超ファインプレー。